天皇皇后両陛下、ベトナムにて元日本兵家族と面会される

両陛下、苦難に寄り添う…元日本兵の家族と面会 (読売新聞記事)

ベトナム訪問中の天皇、皇后両陛下は2日午後、先の大戦後も同国にとどまり、フランスとの独立戦争に加わった「残留日本兵」の家族(右)と面会し、言葉を交わされた(2日午後、ハノイで)=代表撮影

 【ハノイ=池亀創】天皇、皇后両陛下は2日午後、ハノイの宿舎で「残留日本兵」の家族15人と面会、戦争が原因で別離を余儀なくされたつらい過去を持つ人々に優しく寄り添われた。

 両陛下の誠実な人柄に触れ、家族たちの目には感謝の涙があふれた。

 「いろいろとご苦労もあったでしょう」

 天皇陛下は真っ先に、集まった家族の中で最高齢のグエン・ティ・スアンさん(93)に声をかけられた。皇后さまはスアンさんの前でひざを折り、涙を流してお礼の言葉を繰り返す彼女の体を何度も抱き寄せ、その思いを受け止められた。

 両陛下は、他の家族に対しても、一人ひとりの話に誠実に耳を傾けられ、面会時間は予定の倍以上の34分にわたった。せきを切ったように過去の苦労話などを語り出す家族たち。天皇陛下の胸を借りるようにして泣き崩れる男性の姿もあった。

 家族たちの話を聞いた天皇陛下は、「平和というものが本当に大事だと思います」と繰り返し、高齢者には健康を気遣うお言葉をかけられた。

 95歳になる父親が大阪市で暮らしているホン・ニャット・クアンさん(66)は、「今までのつらさや苦しみは、きょうで全て消えた」と喜び、「天皇陛下の声は心に響き、握手した手は父親のような感じがした」と目を潤ませた。

 両陛下はこの後、ハノイの生物学博物館を視察。天皇陛下が1976年に新種として学会に発表し、その後、ベトナム側に寄贈した同国産のハゼの標本などを見て回られた。夜は在ベトナム大使夫妻が宿舎で主催したレセプションに出席。ベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の影響とされる結合双生児として生まれ、分離手術を受けたグエン・ドクさん(36)夫妻などと懇談された。

<両陛下>元日本兵家族と面会 戦後の苦難いたわる

毎日新聞 3/2(木) 21:10配信

 【ハノイ山田奈緒】ベトナム訪問中の天皇、皇后両陛下は2日、首都ハノイで、太平洋戦争後のベトナムに一時とどまった元日本兵の家族と面会された。元日本兵と結婚し、その後離別したベトナム人女性やその子供たちの苦難の歩みはあまり知られていないが、天皇陛下の意向で面会が実現。両陛下は手を取るなどして一人一人の話に耳を傾け、「ご苦労もあったでしょう」と優しく語りかけた。

 元日本兵の妻や子供15人が両陛下の滞在先のホテルを訪れた。グエン・ティ・スアンさん(93)はハンカチを握りしめ、緊張した表情で「こんにちは」と日本語で天皇陛下を迎えた。陛下が「いろいろとご苦労もあったでしょう」と声をかけると、涙を見せた。

 スアンさんは元日本兵と結婚し、4人の子供を持ったが、夫は1954年に帰国。その後50年以上、再会できなかった。子供たちも面会に参加。皇后さまは「会いに来てくださってありがとう」と話しかけ、別れ際にはスアンさんを抱きしめた。

 また、54年に元日本兵の父が帰国し、家族が離ればなれになったゴー・ザ・カインさん(72)に陛下は「厳しい状況だったことをお察しします」と心情を思いやり、「平和ということが本当に大事だと思いますね」と語りかけた。カインさんは面会後、「日本とベトナムはこれからずっと仲良くいられると思う。両陛下の優しさがうれしかった」と話した。

 太平洋戦争後、ベトナムにとどまった約600~700人の元日本兵は、ベトナムの再植民地化を狙うフランスと戦うベトナム独立同盟(ベトミン)に合流した。54年に日本への帰国が始まったが、ベトナム側は当初、妻子の同伴を認めなかった。残された妻や子供たちには偏見や差別を受けるなどの苦難があったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170302-00000102-mai-soci