読売新聞記事 「ホーおじさん」の遺言

[ワールドビュー]「ホーおじさん」の遺言…ハノイ支局長 吉田健一

2018年1月28日5時0分

 ベトナム建国の父であるホー・チ・ミン初代国家主席が眠るハノイ中心部のホーチミン廟びょう。グレーの重厚な石造りで荘厳な雰囲気が漂うこの場所に、先日、旧知の老共産党員に誘われて久しぶりに足を運んだ。

 社会見学の小学生に若いカップル、地方からの団体旅行者。「ホーおじさん」と親しまれ、死後半世紀近くたった今も訪れる人が絶えることはない。儀仗ぎじょう兵4人が守る遺体との対面を終えて外に出ると、その老党員がふと自問するように言った。「ホーおじさんが生きていたら、現在のベトナムをどう思うのだろうか」

 歴史に「IF」(もし)は禁物という。それは承知の上で、2人でホーの遺言に思いを巡らせた。

 「党員は団結を守り、勤勉、正直、模範的な無私の精神を示さねばならない」


100人以上が獄中 APEC首脳会議開催のベトナム(ヒューマン・ライツ・ウオッチ) 

ベトナム:全政治囚の釈放を

100人以上が獄中 APEC首脳会議開催のベトナム

(ニューヨーク) — ベトナム政府は、平和裡に自らの権利を行使しただけで拘束・投獄されている政治囚を全員即時釈放すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチはウェブページを開設し、政治や宗教を理由に投獄されている100人以上の人びとのうち、15人の事例を紹介している。

2017年11月10日にダナンで開かれるAPEC首脳会議に参加する各国政府指導者と貿易相手国は、ベトナム政府当局に対し、平和的に政府を批判しただけの人びとに対する政府の組織的迫害を止め、表現・結社・集会・信教の自由という基本的権利を自国民に保障するよう求めるべきだ。

「一党体制を敷くベトナム指導部との写真撮影や通商協定も結構だが、APECで訪越する外国政府関係者は、その同じベトナム指導部が100人以上の政治囚を投獄している事実を直視すべきだ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長ブラッド・アダムズは述べた。「ベトナム政府は、各国代表団をにこやかに迎え入れるホスト役を務めるながら同時に、勇気を持って立ち上がり、人権と民主主義を訴える人びとへの弾圧を強化している。」

1976年の再統一で成立した現在のベトナムでは、基本的自由の行使を理由に人びとが投獄されている。現時点で少なくとも、暴力によらない政府批判を行った105人(リスト参照)が獄中にある。理由は反政府的な見解の表明、非暴力の抗議行動への参加、当局が未承認の宗教団体への加入、ベトナム共産党が権力独占の脅威と見なした民間・政治団体への参加などだ。