亡命希望者をドイツ国内で拉致、独政府がベトナムを非難

【AFP=時事】ドイツ政府は2日、独国内で亡命希望者を拉致したとしてベトナム政府を強く非難し、駐独ベトナム大使を呼んで抗議するとともに、ベトナム人情報員1人に国外追放を命じた。

 ドイツ外務省のマルティン・シェーファー(Martin Schaefer)報道官は、「ベトナム国籍のチン・スアン・タイン(Trinh Xuan Thanh)氏がドイツ国内で拉致された問題は、わが国の法律と国際法に対する前代未聞の恥ずべき侵害だ」と述べ、同氏を拉致したとしてベトナムの情報当局と大使館を非難した。

 その上でシェーファー報道官は、「決して容認できない行動の結果として、わが国は在独ベトナム大使館駐在のベトナム人情報員を『ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)』に指定し、48時間以内の国外退去を命じる」と宣言した。

 また、独外務省は拉致事件を受けて駐独ベトナム大使を呼び、「こうした行動はドイツとベトナムの国交を深刻に損ないかねない」と強調したという。

 独メディアによると、タイン氏は亡命を申請していたが、先月23日に首都ベルリン(Berlin)中心部の連邦議会や首相府に隣接する公園ティーアガルテン(Tiergarten)で武装した男たちに拉致されたという。今週に入り、ベトナム国営氏が31日にタイン氏が当局に出頭してきたと報じ、所在が明らかになった。